尺八の指使いには、伝統的におおよそ決まったものがあります。例えば、甲のは1孔をわずかに開けて出します。しかし、この手法は尺八らしさはあるのですが、現代曲などで大きな音量が必要になったときにちょっと不利です。音量があって、甲のの音程を出す方法・・・これがあるのです。4孔、5孔を全開にしてカリます。可能な限りからないと低くなってしまいます。チューニングメータで確認してみてください。Dシャープになっていますか。 |
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前回は「替え指」のお話しをしました。そのなかで、大事な替え指について触れませんでした。それはです。「さんのう」と呼んでいます。都山流では、「井」という記号で表わします。チより半音高い音です。チより半音高い音にはがありますが、どうしても大きな音量を出しにくい音です。そのため先人が工夫を重ねてを作り出したのでしょう。(が使われ始めたのがいつ頃からなのかご存じの方、御一報いただけたら幸いです。) |
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このワンポイントアドバイスのコーナーも今回で1周年です。尺八愛好家の皆さんのお役にたっているでしょうか。
ああいそがしい。とても10分では足りません。 |
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いろいろな方から「吹き」がなかなかうまく行かない、というおはなしをうかがいます。満足できる音はそうそう簡単には出ないのです。百発百中で満足のできる音が出せる人なんてこの世の中にはいないんじゃないでしょうか。百発百中満足しているということは進歩を望めないということでもあります。どの吹奏レベルにあっても、不満足な部分があるほうが自然です。 |
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この「今月のワンポイントアドバイス」をご覧の方からE-mailをいただきました。その方は拍子が乱れやすいがよい練習法はないかという御質問をされてきました。直接お答えしましたが同様のお悩みをお持ちの方もいらっしゃるでしょうから、その内容を載せます。
といったことが大事です。後のほうを特に気をつけてください。 |
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ある程度良い音が出るようになった方でも、時として音が出なくなったり、甲になりやすくなってしまう事がありませんか。 |
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いままでずっと、実際に尺八を吹くことについてのヒントをお話ししてきました。今回から何回か、尺八を吹くテクニックについてではないけれど、人前で演奏するときに役にたつポイントについてお伝えします。 |
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97年7月のワンポイントアドバイスで長管を吹くときの姿勢のついてもうしあげました。長管でなくても吹くときの姿勢にはよりよいものと、そうでないものがあります。今回はその姿勢について再度お話ししようと思います。 |
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尺八を吹く皆さんは親指に「たこ」がありませんか。 尺八を吹くときに下になるほうの手の親指です。人によってはとても大きなたこがあります。
尺八をささえる為にこの指が大きな役割を果たしているのです。
リコーダーの演奏家が 紙やすりを使っていると言うことを聞きました。600〜1000番くらいのものを両面テープで貼ると良いでしょう。耐水性のものでないとすぐにだめになってしまいます。 |
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尺八と他の楽器と合奏するときに多くの場合、尺八が基準になる音を出します。お箏の人から「音を下さい」と言われますよね。その合奏の善し悪しが決まるとても大切な瞬間です。
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前回「音を下さい」と言われたときのお話しをしました. 本番で出すピッチで他の楽器に音を合わせてもらうのが大事であることを申し上げました. 合奏する相手の楽器がピッチ調整のできるものならばよいのですが,尺八同志で二重奏・三重奏をする場合もあります.こんな時に「ピッチいくつぐらいですか 」と聞かれます. 十分にウォーミングアップが済み,尺八も熱平衡状態になっている安定した状態(仮に標準状態といいます)でその尺八のピッチがどのくらいなのか,ということです.たとえ1Hzでも修正しつつ吹くのはたいへんなことです. 近ごろではA=442Hzでチューニングすることが多い(例外多々あり)ようですが合奏者同志のピッチが合っていればいいのです.(Aというのは1尺8寸ではチの音です.ロ=D,ツ=F,レ=G,リ=Cです.またツメ=#D,ツ中メ=E,レメ=#F,ウ(チメ)=#G,リメ=#A,リ中メ=Bです) したがって,自分の尺八が標準状態ではどのくらいのピッチなのかを知っておくことが大事です.それにはチューナーを使うのが最善です. 1万円以下で十分な機能のものを楽器店などで売っていますのでお手元に置くことをおすすめします.最近のチューナーは音程が変ってもスイッチを切り替える必要の無いものがほとんでとても便利にできています.例えばロを吹いてもそれがA=442Hzのときのロであることを表示してくれます. 例えば標準状態で3Hzも違った尺八同志では良い演奏は期待できません.これは尺八を購入するときの参考にもなるかと思います.独奏のみであればどんなピッチの尺八でも相対的に音律がよければいいのですが,尺八同志の合奏を考えているならば,標準状態でのピッチが大事な要素になってきます. 製管師の吹き癖と購入者の吹き癖が違う場合,当然ピッチの違いに反映する場合もありますのでA=442Hzで作った,といわれてもご自分で確認をしてください.吹き癖で極端にピッチが違ってしまう場合は注文しなければならない場合もあるかもしれません. 良い演奏は正しい音程から生まれます.音程を正しくするのはたいへんな修行が必要です.このたいへんな修行を怠った人の演奏がいいはずはありません. |
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前回と前々回、ピッチの話しをしました。もう一回ピッチに関するお話しをします。 尺八には普通五つの手孔が開いています。そして、音程を変える基本は手孔を開けたり閉じたりすることです。 しかし、正しい音程で吹くということは、ただただ、手孔を開けたり閉じたりすればいいというものではありません。
要は正しい音程で吹かなければならないということです。 常に自分の出している音が正しいか聞いていて、違っていればすぐに修正しなければなりません。 手孔があっても尺八はフレットのないバイオリンや三味線のようなものだと思ってください。 尺八によってはツのメリを出し易くするために、ツが低めになっているものや、三のウを 出し易くするためにチが高めになっているものがあります。こういう尺八ならなおさら音程感覚を研ぎ澄まして常に微調整しながら吹く必要があります。 どうしても吹きながら修正できないならば手孔の位置を直すしかありません。たとえ1000万円の尺八であっても、手孔を埋めるとか、削って少し大きくするといった修正が必要になります。 うるさいほど音程(ピッチ)のお話しをしてきましたが、なんといっても良い演奏への最大の近道だからです。 音程を正しくする修行をすると、音程だけが良くなるのではありません。その修行の間に音に対するさまざまな面からの感覚が養われ、その人の音楽が一回りも二回りも大きく深いものになるのです。 |
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