boulder.gif








ボルダー
国際尺八音楽
フェスティバル'98


アメリカ コロラド州
1998年7月5日〜10日
World Shakuhachi Festival 1998 Boulder,Colorado USA,July 5th-11th

〈フェスティバルについて〉



WSF in Boulder

1998.7.17 森
1、Boulder
 コロラド州の州都デンバーから北西に車で一時間の距離にあり、ロッキー山脈の麓の
緑に囲まれた人口20万人の中都市である。120年の歴史を誇るコロラド州立大学の
学園都市であり、約9万人が大学関係者で占められている。その外には公害を出さない
IBMその他の企業を市が誘致している。
 
又コロラド州は、面積が北海道を除いた日本の面積に等しく、人□は横浜市と同じ3
50万人で、内250万人がデンバーに住んでいる。デンバーは所謂ゴールドラッシュ
の口火となった金鉱の発見で開けたところであり、現在では採算上殆ど金の採掘は行わ
れていない。
 
 通常日本からは、ロサンジェルス又はサンフランシスコで国内線に乗り換え約2時間
の飛行でデンバーインターナショナル空港(DIA)へ到着する。

2、登録と宿舎
 大学の学生宿泊設備がキャンパスの東南にあり、現在は夏期休暇中で空いており、そ
の間を利用して各種の団体を受け入れているようである。事務食堂棟を中心として,二
階建ての建物か散在しており、Kittredgeと称する。
 
 到着すると鍵(建物の入口と部屋の2個)とプラスチックカード(食堂での食事用)
をサインして受け取る。次に本フェスティバルの登録を行って各種の資料やTシャツを
受け取る。
 
  部屋は2人部屋でベッドと机、冷蔵庫、電話、衣類整理棚があり、シャワー、トイレ
は共用である。部屋は毎日掃除され、タオルは交換される。
 
 食事は三食共食堂で取るか、昼食のみランチボックスを受け取って会場のまわりの芝
生等で取る。内容は所謂インターナショナルなもので、日本食は無く、唯一朝味噌汁らし
きものがあった。


3、参加者
 日本からの参加者は、招待者が37名、一般参加者が102名で合計139名であり、
日本人以外は200名位であった。アメリカ人が圧倒的に多く、その外カナダ、オ
ートラリア、オランダなど若干名であった。

4.各種行事
 午前中は毎日交代で大先生による本曲の講習会(中、上級向け)が8:00から10
:30まであり、この時が唯一全員が一堂に会する機会のため、7:40より連絡事項
伝達がある。初心者は講習に先立つ大先生のデモ演奏のみを聞いた後、8:30より他
の部屋に移動して「本曲の基本的な技巧」について講習を受ける.日本人の先生方の講
習は、夫れ夫れその弟子で巧みな日本語を操るアメリカ人が英語に翻訳するし、外国人
が講師の場合も日本人が出席していれば日本語に通訳してくれ、言葉の障害はほとんど
無かった。

 本曲習会の後は、IO:30〜11:45に再び全員が集まって、参加者金員が出
演する曲のリハーサルが行われた。今回は「手向」と「ペンタゴニア」。

 午後は2:00から5:30頃まで同時並行に、演奏会、ワークショップ、レクチャ
一等が4〜5本常に開催されており、興味有るテーマの選択に苦しむ程であった。

5、外国人の尺八に接して

 (1)外国人の尺八に対する熱意と探究心の旺盛さには驚いた。大先生に対しても臆するこ
    となく疑問をぶっつけ納得の行くまで食い下がる。中には日本人ではなしえない様な
    微妙な質問もあり、同席した我々も大いに参考になった。

 (2)外国人が我々と全く同じ楽譜を使い、同し演奏技法で本曲を大変巧みに演奏するのに
    は驚いた。五線譜によるものか、又は同じ楽譜であっても英語の注釈付のものを使っ
    ていると思っていた。

 (3)外国人の中には特殊な技法を使ったり、ジャズを演奏する者もいるが、それは極く一
    部であって、大多数は本曲の演奏を目指しているように見えた。

 (4)尺八を演奏する外国人には女性が多い。フルートなど西洋の吹奏楽器は女性の奏者
    が多いので尺八に対する女性の抵抗感は無いのではないか。

 (5)外国人が尺八を習う動機は、勿論人により様々であろうが、やはり禅を含め日本の
    精神文化に引かれて、と言うのが多いようである。特に物質文明の極致に達したアメリ
    カでその傾向が強いように思われる。


6、今回のフェスティバルの意義

 (1)1994年美星町での第一回WSFより4年後の今年、第二回をアメリカで成功裏に開催
    できたことは、尺八界での国際的な連帯を確固たるものとし、今後益々世界的広がり
    を可能とする基礎ができた。

 (2)日本を代表する尺八界の大先生方とそれに繋がる演奏者、修行中の者達が一堂に集ま
    って各先生方より指導を受け、討議をし、演奏をしたと言うことは、国内に限っても
    大変意義のあることで、今後の日本での尺八の発展の契機となる事が期待される。
 
 (3)今回の期間を通じて3回の大演奏会が催され、日本では望みえない幻の演奏を目の当
    たりにする事が出来た。又、これらは全て当地の一般聴衆の参加のうちに行なわれ、
    日本の伝統文化にたいする認識を広げる事に大いに貢献した。

 (4)参加者は本期間中を通して、単に尺八技法を学んだだけでなく、その周辺の広がりに
    眼を向けさせて貰うことが出来た。例えば、呼吸法や製管法などなど。


7、今後の展望

 (1)今まで多くの日本文化が外国人によって見出され、日本に逆輸入されて、再び日本で
    隆盛を見たものが多いが、尺八も同じ道を辿るのでは、と言う感じを受けた。

 (2)外国人が学び易い楽譜が造られるのではないか。ロツレチ等の記号は同じであっても
    注釈や説明は少なくとも英語で書かれたもの。


8、希望

 (1)今回のフェスティバルのビデオが欲しい。

 (2)各レクチヤーの内容の詳報又は抄録が欲しい。

 (3)次回の開催を含めて今後の有り様は色々討議されたようであるが、国際的な連帯を維
    持、強化するために、機関紙の発行が望まれる。





ボルダー国際尺八音楽フェスティバル98実行委員会
Please direct inquiries to the WSF'98 Executive Committee

〈日本事務局〉


国際尺八研修館のホームページに戻る